親の介護はしたいけど、いざ介護が始まると、辛さやストレスで疲弊する人が多い介護の現場。
育ててくれた両親だから、最後まで好きな場所で・・・と思う人も、いざ介護が始まると、理想と現実のギャップに悩まされるでしょう?
大きな大人を介護するという事は、体力的も必要になり、気を付けなければ、介護する側が体調不良になりかねません。
今回は、介護者が困ってしまう原因について考えていきたいと思います。
最初は、自分の親や、大切な家族だからと気持ちを奮い立たせて覚悟を決めて取り組むでしょう。
しかし、24時間365日以上続く介護生活は、小さなことの積み重ねが原因となってくる場合が多いです。
親の介護は、家族や介護者にとって、肉体的、精神的な負担がとても大きいものです。
長時間の介護は、介護者にとっては心身のバランスを崩す原因となり、ストレスがたまります。
最近では「介護うつ」という言葉もあるほど、注目されている問題です。
介護は24時間待ったなしでやってきます。
徘徊や昼夜の区別がつかなくなってしまっている場合は、日中の介護だけではなく、夜中も緊張状態が続くのです。
24時間続く介護での疲労から、心身のバランスも崩れていくでしょう。
在宅介護の場合、長期化も考えられます。
介護施設とは違って、人手不足で、すべての介護と自分のことを一人でやらなければならなくなる場合も。
すると、介護する側の身体的精神的負担は、積み重なり増大していくばかりです。
しかし、考える暇もなく、介護に追われる気持ちになりストレスや不安から、寝ていても休んだ気がしなくなります。
在宅介護では、一日の大半を介護に費やす場合がほとんどです。
そうすると、自分の時間を確保するのが難しくなり、ストレスの原因となります。
また、良かれと思ってした行動が親に伝わらず、蓄積された日々の疲れやストレスも重なり、親に対しての尊厳を失った行動を取ってしまいがちです。
介護者が自分自身を省みることができなくなってしまうこともあります。
このような場合、家族や周りの人に相談したり、休息を取ることが必要です。
現在では、親の介護と仕事を両立させながら働く方も増えています。
しかし、通院や日常生活の世話で仕事を休む回数が増えると、職場で肩身の狭い思いをしている方や、転職や退職を考える方もいるのではないでしょうか。
親の介護と仕事の両立は、身体に大きな負担がかかるのは間違いありません。
さらに、会社からの理解を得られなかった場合には、介護と仕事を両立することは難しいといえるでしょう。
介護者が仕事と介護を両立している場合、日々のスケジュール管理が非常に重要になります。
急な対応が求められるものの思い通りにいかず、結局は親の介護に振り回されてしまうことも。
会社の労働環境に余裕がない場合や上司からの理解を得られなかった場合、降格や減給もあり得ます。
また、職場関係のコミュニケーションが減り離脱感を感じる場合もあります。
介護者が仕事を辞めてしまって介護に専念する「介護離職」という現象も起こり得ます。
これは、介護者が仕事との両立が難しくなることで仕事を辞めるという選択を余儀なくされる状態です。
そうなってしまうと、経済的な不安も出てくるでしょう。
介護保険では、要介護度に応じて月あたりの支給限度額が決まっています。
限度額までの範囲であれば、サービスの利用に応じて自己負担分は1割ですが、 限度額を超えると原則、全額自己負担となります。
また、収入がある場合は2割になるので注意が必要です。
在宅介護を続ける場合月々の出費は5万円以上。
デイサービスや施設に預けるとなると、数十万円以上かかってしまう場合も。
今のところは介護保険などで賄えていても、一定の上限以上にサービスを利用しなければならない場合は、負担額が増えます。
また、幾ら補助が出るとはいえ、介護者のお金までは保証してくれません。
忙しくて作れなかった自分たちが食べるお惣菜や、介護疲れから来る体調不良に使う医療費等、見ない部分のお金が沢山かかるでしょう。
より良いサービスを求めれば、更にお金は必要になってきます。
介護離職にならないように、介護者が介護と仕事を両立するためには、家族や周りの人に相談したり、会社とのコミュニケーションをしっかりと取ることが必要です。
あらかじめ、上司や人事に連絡をして、異動や時短、在宅勤務が可能か?
会社の福利厚生を調べるなどをして、ストレスを緩和できるようにしていきましょう。
近年、介護と子育てを両方行っている女性も増えています。
親の介護をしている方の中で、育児と介護のダブルケアに悩まされている方も少なくありません。
仕事と子育ての両立に悩む女性も多いですが、更に介護も加わると、ストレスは計り知れません。
ようやく小学校に入ったと思ったら、介護が待っていたという声も。
2016年の内閣府の調査では、ダブルケアに携わる人口は約25万人という結果が出ています。
女性の晩婚化や子どもを産む年齢の高齢化などが理由であると考えられているほかに、核家族化や親戚関係の希薄も影響しています。
そのため、育児中であっても介護を強いられる場合が増えているのです。
遠方に両親がいる場合、移動や送迎のストレスに加えて、子供たちも不規則な生活に対するケアも必要になります。
育児と介護を同時に行うことは、非常に大変であることは言うまでもありません。
乳幼児の場合、授乳や離乳食など身の回りのお世話が必要ですが、介護も同じように身の回りのお世話が必要です。
小学校に入ると、塾や習い事の送迎や、宿題をチェックしたり、1人でできることが増える反面、精神的なケアが必要になってきます。
しかし、介護者が一人しかいなかった場合、体力も限界に達してしまうでしょう。
介護者が育児と介護を両立するためには、家族や周りの人に相談したり、時間管理をしっかりとすることが必要です。
介護は待ったなしでやってきます。
そして残念ながら日に日に介護の負担は増えていくでしょう。
一人ですべてを行う事には限界になります。
知らず知らずのうちにストレスから体調面に影響が出てくるはずです。
一人で悩む前に早めに、会社や、地域包括支援センター、家族、身近な人、医師など相談できる場所を持つことが非常に重要です。